放課後、ユーロは部室に向かった。
「あ!うさちゃん。」
「はい?」
思わず間の抜けた声を出してしまった。
「入ってくれたのね〜。」
リラはユーロの手を握り、ぶんぶんと振り回す。
「先輩が言ってたの。可愛い兎が行ったらよろしくって。」
ユーロちゃんの事だったのね〜。と満面の笑顔。
「よろしく!」
改めて手を差し出され、ユーロはそっと握り返した。
「堅苦しいから丁寧語はナシね!ほら、皆も挨拶。」
リラが三人を見る。
「よろしくな。」
フランがにこっと笑う。
「頑張りましょう。」
エーレは頭を下げた。
「…覚悟しとけよ。」
マルクはボソリと呟いた。
「…。」
ユーロの背中を嫌な汗が流れる。
「ちょっと、怖がってるじゃない。」
「あの、やっぱり怖い部活なんですか…?」
「コホン。」
リラがチラリとユーロを見る。
「あ…怖い部活なの?」
「怖くないわ。生徒会と仲が悪いだけ。」
十分怖いんじゃあ…というユーロの心は伝えられる前に終わった。
「はぁい♪」
扉が開き、シュラが入ってきた。
「先輩!」
リラが振り向く。シュラはリラに片手を上げ、ユーロを見た。
「あら、うさ子。」
「…うさ子?」
「あだ名よ。白いし、耳長いし、うさ子。」
「はぁ…。」
「ちなみにコン太、ポン吉、にゃん子、わん太。」
シュラが指した順にフラン、エーレ、リラ、マルクだ。
「…。」
「まぁ、あんまり気にしないで。」
「…はい。」
「そんな事よりもフラン、生徒会長のところへ直談判に行くわよ?」
「はい。」
フランは力強く頷いた。
「ユーロちゃんとエーレは後学のために付いてらっしゃい。マルクとリラちゃんは留守を頼むわ。」
「はい。」
…一体何が…?




目次へ・・・次へ・・・前へ