バーツと一緒に垂れ幕から出たとき、ナイラは思わずひるんでしまった。
そこには見たこともないような大勢の人々がいて、その視線が一斉に自分に向いた。
小波のようなざわめきが広がり、やがて広間は静まり返った。
(うわぁ…。)
居心地が悪い…だがここで負けてはいけないのだ。
バーツが後ろからナイラを包むように翼を広げ、羽が肩に触れた。
「…うん。大丈夫。」
ナイラは少し息を深く吸い、目を閉じた。
それから群集を見まわして、ひとつ、深々と礼をする。頭が上がると同時に広間は大歓声に包まれた。
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