「あ、来たね。今日はどんなニュース?」
「ニュース?何だそれは?」
あなたの部屋にはレオ将軍がいた。
「だから、ニュース。」
「あぁ…アレか。花が咲いただの小鳥の雛が孵っただの…。」
「そうそう。おいで、セリス。」
ベッドの端に手をつくと、あなたは悪戯っぽく笑った。
「この人は友達のレオ。剣の達人さ。」
「冷やかしはよせ、ケフカ。」
レオ将軍は溜め息をついて半眼になり、ブツブツと文句を言った。
「しかしお前ときたら…もう少し身体を大切にしろ。」
文官で体力も無いくせに…と心配そうに呟くレオ将軍。
「だから言ってるじゃないか。君が帝国一の剣士で僕が帝国一の魔導士になろうって。」
言い合いを始めた二人に、私は思わず叫んでいた。
「わ、私も!私も一緒にやりたい!」
『!?』
「私、帝国一のルーンナイトになる!」
「本当?」
「…本気か?」
悪戯っぽく笑うあなたと、顔をしかめたレオ将軍。
「頑張る。二人と一緒に国を守りたい。」
「そいつは頼もしいな。剣なら教えてやろう。」
「うん!」


それから数日後…あなたは部屋を出た。
部屋を出る時、レオ将軍とコツンと拳を合わせて、
「無茶はするなよ。」
「そちらこそ。」
それから
「セリス、魔法が使えるようになったら…魔法使いみたいな格好で帰って来るよ。」
と私の頭を撫でて笑いながら出て行った。


それから私はレオ将軍の下で剣の訓練に明け暮れた。
訓練中は厳しいけど、彼は優しくて頼れる人だったから、寂しくなんかなかった。




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